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前歯のインプラントは難しい?審美インプラント治療で大切な"骨の厚み"の話2012.07.25

審美インプラント治療とEBM(根拠に基づく医療)

あらゆる歯科治療には「治療根拠」があります。近年では、臨床経験のみに頼らず、 科学的根拠に基づいた EBM(Evidence-Based Medicine) の考え方が重視されています。

とくに補綴治療(歯を削って被せる治療)は、以前は臨床経験に基づいた方法が中心でしたが、 科学的研究が増えてきた最近では、治療技術にも客観的な裏付けが示されるようになってきました。

審美インプラント治療においても、過去の臨床経験から生まれた多くの「セオリー」が存在しますが、 科学的に解明されていなかった部分も少なくありませんでした。

骨の厚みを科学的に検証した論文について

審美インプラント治療に関連する骨保存のイメージ

2012年7月20日の勉強会では、審美インプラント治療において重要な 「前歯の骨の厚み」を科学的に検証した論文を抄読しました。

Thickness of the anterior maxillary facial bone wall - A retrospective radiographic study using cone beam computed tomography. (J Periodontics Restorative Dent. 2011)

この研究は、コーンビームCTデータを用いて、 上あご前歯498本の骨の厚みを統計的に分析したものです。

論文から示唆される治療上のポイント

結果として、多くの方は前歯部の骨が非常に薄い傾向があることが示されました。 そのため、抜歯即時インプラントやフラップレス手術では、骨が十分に温存されにくい可能性があるという見解が示されています。

著者らは、特に審美性を重視する前歯部インプラントでは、 抜歯後に数週間待ってから、必要に応じて骨造成を併用する治療法 のほうが、歯肉の形態を整えやすく予知性が高いと考察していました。

これまで一般的とされていた「抜歯即時インプラント=骨を守れる」という考えが、 必ずしもすべてのケースに当てはまらない可能性が示唆された点は、 非常に興味深い内容でした。

審美インプラント治療の"常識"は変わる

歯科医療の世界では、新しい研究や技術によって 昨日の常識が今日の非常識になることも珍しくありません。

審美インプラント治療も、より良い結果を得るためには、 常に最新の科学的知見を取り入れながらアップデートしていく必要があります。

当院の審美インプラント治療について

自由が丘 田川歯科では、EBM(科学的根拠)に基づく診断と治療計画を大切にしています。 審美性が求められる前歯のインプラント治療では、CT診断による骨の厚みの評価、 必要に応じた骨造成、治療時期の判断など、精密な診査を行っています。

目黒区、世田谷区、大田区、東急東横線・大井町線・田園都市線沿線にお住まいで 審美インプラント治療をご検討の方は、自由が丘駅徒歩3分の当院へお気軽にご相談ください。