自由が丘の歯医者ブログ

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インプラントを長持ちさせる「正しい型取り(印象)」とは|治療精度を高めるポイント2012.05.21

インプラント治療を長期間良好に維持するためには、インプラント本体と上部構造(差し歯)が正確に適合していることが不可欠です。歯周病専門医として私たちは、まずインプラントと骨の結合状態を確認し、そのうえで上部構造の適合とメインテナンス性を定期的にチェックしています。

インプラントと上部構造を精密にフィットさせることで、清掃性が向上し、長期的なトラブル予防につながります。では、口腔内に埋入したインプラントの位置を、模型上で正確に再現するには何が重要なのでしょうか。

インプラント印象で作成されたマスターモデル

2012年5月27日の勉強会では、インプラント上部構造の印象(型取り)精度に関する論文を2本抄読しました。いずれも、インプラント治療の予後を左右する重要なテーマです。

毎週金曜日は、American Board of Periodontology Member である西堀雅一先生の院内勉強会に参加させていただいています。

Interdisciplinary Study Club Tokyo 西堀歯科勉強会

参考論文

Accuracy of impression techniques for implants. Part 1 -- Influence of transfer copings surface abrasion.
J Prosthodont 2008

Accuracy of impression techniques for implants. Part 2 -- Comparison of splinting techniques.
J Prosthodont 2009

インプラントと上部構造の適合が不十分な場合、咬合力に耐えられず、以下のようなトラブルが起きる可能性があります。

  • インプラント内部ネジの破損
  • インプラント体の破折
  • 周囲骨の損傷
  • 上部構造の脱離・破損

今回の抄読会では、インプラント補綴物を精密に作製するための印象技術や注意点について、エビデンスに基づいた知見を学ぶことができました。明日からの臨床にも直結する内容で、大変有意義な時間となりました。

勉強会からのうれしい報告

勉強会メンバーの足立芳洋先生が、春季歯周病学会にて「歯周病認定医」に認定されたとのことです。

この勉強会には現在、指導医2名・専門医6名・認定医2名の計10名が所属し、さらに過去には6名の専門医を輩出しています。その実績からも、大学医局に匹敵する質の高い歯周病研究機関と言えるでしょう。

足立先生、本当におめでとうございます。今後のご活躍を心より応援しています。