自由が丘の歯医者ブログ
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歯周病治療に効果的な光治療2020.07.08
こんにちは
自由が丘 歯周病専門医 田川歯科です。
今日のブログは最先端の歯周病治療を受けられた患者さんのお話です。
御友人からのご紹介で、奥様は以前より当院に通院されていらっしゃったのですが、
ご主人はご自宅近くの歯医者さんが良いとの事で他院に通っていたそうです。
歯がずっと凍みていたので、こまめに歯医者通いをされていたそうですが、
歯が凍みるのは、重度の歯周病が原因なので歯周病治療をしましょう。
その歯医者さんからそう言われ、何ヶ月にもわたって歯周病治療を受けていたとの事ですが、
歯が凍みる状態は一向に改善しなかった為、歯医者さんが薦めるままに
高いお金を支払ってペリオウェーブという歯周病菌をレーザーの光で
殺菌する治療を受けていたそうです。
レーザー治療を受けてすぐは、凍みも落ち着き調子が良くなるそうですが、
しばらくするとまた再発するとの事で、延々とレーザー治療が続いたそうです。
結局は、治療費の高い治療が続いたことに業を煮やされた奥様のご紹介で当院を受診されました。
当院の診断でも重度歯周病と診断したのですが、歯の痛みの原因は歯周病によるものではなく、
以前からあるむし歯が原因と診断しました。
当然の事ながらむし歯の治療をしなければ痛みはひきません。
むし歯の治療をするとすぐに痛みは治まり、その後は通常の歯周病治療へ移行しました。
歯周病治療をはじめたところ、それまで1年近くも歯周病治療を受けた来たにも関わらず、
歯茎の中には歯石がたっぷりと付いている状態でした。
歯石も取らずに歯周病を治していた光殺菌療法ってなんぞや?
とびっくりしてしまい歯周病治療に効果的と謳う光治療を早速ググったところ
ヒットした文献がこちらです。
このシステマティックレビューは、歯周炎やインプラント周囲炎に罹患する患者へ
非外科歯周治療もしくは外科的歯周治療の補助治療として用いた
抗菌光線力学療法(aPDT)の有効性を評価したアメリカ歯周病学会のジャーナル紙に
2018年に掲載された文献でした。
中等度から重度の慢性(CP)もしくは侵襲性歯周炎(AgP)
またはインプラント周囲炎に罹患するそれぞれの成人患者に対して、
基本的な歯周病治療もしくは基本的な歯周病治療にaPDTを併用した結果を
3ヶ月以上経過を追跡している2017年3月までに発表されたRCT研究を
MEDLINE、EMBASE、およびCENTRALに発表された文献を検索後に分析していました。
28本の論文を分析したところ、通常の歯周病治療にaPDT治療を併用する事は、
臨床付着レベル(CAL)(AgPの非外科的治療)およびプロービング深さ(PD)
(AgPとCPの非外科的治療)において、わずかながら統計的な有意性を示していました。
その臨床結果の差は1mm未満とわずかなものであり、治療としての確実性は
低〜中程度であると見なされていました。
またaPDTを臨床的に推奨しているのは、科学的な結果というよりは、
その治療を推している専門家の意見がほとんどでした。
その結果以下に示す2つの結論が導かれました。
1)中等度から重度の歯周炎患者に従来の歯周病治療にaPDTを併用治療として使用した場合、
従来の歯周治療のみと比較して、PDおよびCALで同様の臨床的改善が得られる場合がある。
2)とは言えaPDTを併用治療として使用することが、
インプラント表面のスケーリング/デブライドメントのみの治療結果よりも
優位であるというエビデンスは(現時点では)示されなかった。
情報化が進んだ世の中だと言うのに、歯科の世界にはいつまでもとんでもない(科学的根拠の無い)治療がはびこっている事にがっかりしてしまいます。
また日本ではこのような情報発信も少ない事から患者さんも治療の真偽を見極める事が難しいという背景もあり、今後も歯周病治療のエキスパートとして正しい歯科治療情報を発信していく責務を感じております。
目黒区、世田谷区、大田区、東横線、大井町線、田園都市線沿線にお住まいの方で歯周病治療にお悩みの方は、自由が丘駅から徒歩3分で通いやすい歯周病専門医・指導医が在籍する自由が丘 田川歯科まで、お気軽にご相談ください。
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