加齢や誤った歯磨き、歯並び・噛み合わせの問題などにより、 歯肉が退縮してしまうことがあります。歯肉が下がると歯が長く見えてしまい、 審美的な問題から治療を希望され、歯周病専門医を訪れる患者さんも少なくありません。
今回は、歯肉退縮の改善に関する最新の歯周病治療論文を2本ピックアップし、 臨床的に役立つポイントをまとめました。
毎週参加している歯周病専門医との院内勉強会
American Board of Periodontology の Member である 西堀 雅一先生の院内勉強会に、毎週金曜日に参加しています。 最新の論文をもとに、日々の歯周病治療へ反映できる知識を深めています。
論文1:顕微鏡下手術は歯肉の厚み・角化組織で優位性あり
本研究は、歯肉退縮部を回復させる手術を 顕微鏡下で行う低侵襲手術(マイクロサージェリー) と 従来法(マクロサージェリー) で比較したものです。
- ポケット深さ:差なし
- 付着量:差なし
- 角化組織の幅・厚み:顕微鏡下手術が優位
角化組織が十分にあると、術後の"後戻り"が起きにくくなるため、 マイクロサージェリーの有用性が示された研究でした。 著者らが解説したテクニックは、当院の臨床にもすぐ応用できる内容でした。
論文2: 新しい診断基準の妥当性は不十分
The interproximal clinical attachment level to classify gingival recessions and predict root coverage outcomes. (J Clin Periodontol 2011)
この研究は「歯肉退縮の新しい診断基準」を評価するものでしたが、 診断の定義・実験デザインともに曖昧で、臨床導入に値するエビデンスは不足 していました。
既存の診断基準を大きく上回る内容ではなく、明日からの治療に 直ちに応用できるレベルではないと判断されます。
歯肉退縮でお悩みの方へ(自由が丘駅徒歩3分)
目黒区・世田谷区・大田区、東横線、大井町線、田園都市線沿線にお住まいの方で、 歯肉退縮や歯周病治療をご検討中の方は、 歯周病専門医が在籍する当院へお気軽にご相談ください。



