今回のブログでは、歯周病と糖尿病の関連性 に関する医療従事者の理解度を調査した研究を取り上げます。内容の優劣評価は行わず、論文で示された「傾向」と「背景」をわかりやすくまとめています。
毎週金曜日には、American Board of Periodontology 認定医である西堀雅一先生による院内勉強会に参加し、歯周病の最新知見を学んでいます。
Interdisciplinary Study Club Tokyo(西堀歯科勉強会)
今回取り上げた論文
- Knowledge About the Association Between Periodontal Diseases and Diabetes Mellitus: Contrasting Dentists and Physicians (JOP 2011)
- Relationship between periodontal disease and diabetes mellitus: an Asian perspective (Periodontol 2000 / 2011)
1. 医科と歯科で異なる「認識の差」
1本目の論文では、医科・歯科のそれぞれが糖尿病と歯周病の相互関係をどの程度理解しているかが調査されていました。
- 内科医は、糖尿病患者は歯ぐきが腫れやすいという傾向を把握している
- 一方で、糖尿病により歯周病の進行や歯槽骨の喪失が起こりやすいという点については、歯科医師ほど認識されていなかった
あくまで論文で示された「認識の違い」に関する調査であり、どちらが正しい・誤っていると評価する研究ではありません。
2. アジア地域では「統合的なガイドライン」が課題に
2本目の論文では、アジア地域では糖尿病患者の増加率が高いことが紹介され、その背景の中で:
- 糖尿病専門医と歯周病専門医の双方が利用できる
- 統合的なガイドラインが整備されていない
という課題が指摘されていました。より確実な診療連携を行うためには、学際的なガイドラインの整備が必要だと述べられています。
歯周病と糖尿病の深い相互関係
歯周病と糖尿病は相互に影響し合うことが多くの研究で報告されています。
- 糖尿病のある方は中等度〜重度の歯周病を併発しやすい傾向がある
- そのため、より専門的な歯周治療が求められる
患者さんごとに状況は異なるため、まずは正確な検査と診断を行い、適切な治療計画を立てることが大切です。
歯を失わないために ― 予防が最善の治療
歯を失った後の治療(ブリッジ・義歯・インプラント)には、それぞれメリット・注意点があります。そのため、最も重要なのは:
歯を失う前に、歯周病を予防すること
- 定期的な歯科検診
- 専門的な歯周病検査
- 早期の治療介入
これらが、将来的な歯の喪失を防ぐうえで大きく役立ちます。
自由が丘・田川歯科医院からのご案内
当院では、他科からの歯周病治療依頼にも対応しています。糖尿病をお持ちの方、最近歯ぐきの腫れや出血が気になる方は、ぜひ一度歯周病の精密検査を受けてみてください。
目黒区・世田谷区・大田区、東横線・大井町線・田園都市線沿線で歯周病治療をご検討の方は、自由が丘駅から徒歩3分の歯周病専門医までお気軽にご相談ください。



