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重度歯周病で咬み合わせを失った患者さんへの高度治療 ― 歯周病専門医の症例発表より2011.10.16

重度の歯周病(歯槽膿漏)によって奥歯の咬み合わせを失った患者さんの治療は、歯科治療の中でも非常に難易度の高い分野です。

歯周病治療の症例検討会の写真

2011年10月15日(金)は、中野区東中野で開業されている 篠田 純先生 による大変貴重なプレゼンテーションを拝聴しました。

毎週金曜日には、American Board of Periodontology のメンバーである西堀雅一先生が主宰される Interdisciplinary Study Club Tokyo(西堀歯科勉強会) に参加していますが、今回の発表は特に印象深い内容でした。

重度歯周病患者の治療が難しい理由

重度歯周病の患者さんは、以下のような複合的な問題を抱えています。

  • 悪化するまで歯科受診を避けがちで治療が遅れる
  • 残存歯がグラつき、全体の歯並びが大きく乱れていることが多い
  • 歯周組織の骨が著しく吸収している
  • 咬み合わせを支える歯の本数が少ない

このようなケースでは、一般的な歯科医院では 「すべての歯を抜歯し、総義歯やインプラント治療を提案する」 という治療計画になりがちです。

なぜなら、極度に骨が弱った歯で多数の人工歯を支えつつ咬み合わせを再構築することは、 治療計画も予後管理も非常に高度な判断を必要とするため です。

篠田先生の治療:診査・診断から治療計画まで精密に構築

篠田先生は西堀歯科医院で長年副院長として活躍され、歯周病と咬み合わせ治療に精通しておられる先生です。

今回の症例でも、

  • 詳細な咬合診査
  • 歯周組織の精密診査

を行った上で、綿密な診断と治療計画を立てられていました。

そして、

  • 咬み合わせの再構築
  • 歯周病治療
  • インプラント治療
  • 矯正治療

これらを段階的かつ戦略的に組み合わせ、 機能的にも審美的にも極めて完成度の高い治療結果 を実現されていました。

矯正治療を活用し、歯を一本も抜かずに改善

特に印象的だったのは、

矯正治療を用いて骨の回復を意図的に促し、歯周外科治療さえ回避しながら全ての歯を残された点 です。

歯周病と矯正を高いレベルで統合できなければ到達できない領域であり、まさに熟練した専門医ならではの治療でした。

他院で「すべて抜歯」と提案されていた患者さんが、一本も歯を失わずに機能回復できたことは、治療を受けられた患者さんにとって非常に大きな感動であったと思います。

高度な歯周病治療は誰にでもできるわけではありません

このような治療を実践できる歯科医師は多くありません。 篠田先生は歯周病専門医としての確かな知識に加え、救歯会のメンバーとして咬合や補綴治療にも精通されています。

私自身、同年代の歯周病専門医からこのような卓越した治療を学べる環境に感謝しつつ、今後も日々の臨床に研鑽を重ね、患者さんに最善の治療を提供できるよう努めて参ります。


自由が丘周辺で歯周病治療をお探しの方へ

目黒区・世田谷区・大田区、東横線・大井町線・田園都市線沿線にお住まいで歯周病治療にお悩みの方は、自由が丘駅から徒歩3分の歯周病専門医までお気軽にご相談ください。

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