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歯周病による歯の病的移動と補綴治療 ― 現在の治療戦略2012.06.29

過去の記事でも触れてきましたが、歯周病により奥歯を失ったままにしておくと、前歯がゆっくりと前方へ移動する「歯の病的移動」が起こることがあります。これは咬み合わせのバランスが崩れることによって生じる変化です。

治療の進め方は、患者さまのお口の状態や歯科医師の得意とする治療領域によって異なります。一般的には、以下のような選択肢が検討されます。

  1. 突出した歯の根管治療(神経処置)後に被せ物を行い、義歯やインプラントで欠損部を補う方法
  2. 前方に移動した歯を抜歯し、入れ歯またはインプラント治療で咬み合わせを回復する方法
  3. 突出した歯を矯正で後方へ戻したうえで、欠損部を補綴(入れ歯・インプラント)で回復する方法

それぞれに利点・注意点があり、歯周治療、矯正治療、補綴治療を総合的に判断する必要があります。

歯周病による歯の病的移動を示すイメージ図

2012年6月22日には、中野区でご開業されている 篠田純先生(歯周病専門医) の症例報告を拝聴する機会がありました。

また、毎週金曜日には American Board of Periodontology のメンバーである西堀雅一先生の院内勉強会に参加し、歯周治療と補綴治療の連携について学んでいます。

今回拝聴した篠田先生が治療された症例では、歯周治療を基盤とし、必要に応じて矯正治療や補綴治療を組み合わせることで、歯をできる限り残しながら機能回復を図る治療方針が紹介されていました。治療の組み合わせ方や診断の重要性について、多くの知見を得られた有意義な勉強会でした。

歯周治療と補綴治療を統合する考え方は、海外での学術的な流れを基礎としながら、日本でも臨床現場で応用されています。歯を守りながら咬み合わせを整えることを重視するアプローチは、今後もさらに重要性が高まる分野といえます。

自由が丘駅から徒歩圏内にお住まいの方で、歯周病や歯の動きが気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。現在のお口の状態を丁寧に確認し、考えられる選択肢をご説明いたします。

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