アメリカでは、大学院における歯周病学専門課程を修了すると「歯周病専門医」の称号が付与され、その後に複数の厳しい試験に合格することで、米国歯周病学会専門医委員会(American Board of Periodontology:ABP)の認定医として登録されます。
一方、日本では、日本歯周病学会の「認定医」取得後に「専門医」資格を取得するという段階的な制度が採用されており、アメリカとは評価の順序が異なります。これは両国の医療制度・教育体系の違いによるものとされています。
2012年7月27日には、タフツ大学歯学部歯周病学大学院を修了し、ABPボード認定医でもある 二階堂雅彦先生 を講師にお迎えして、ISCT(Interdisciplinary Study Club Tokyo)にてクローズドセミナーが開催されました。

当院では毎週金曜日に、American Board of Periodontology のメンバーである西堀雅一先生による院内勉強会に参加し、国内外の最新情報について継続的に学んでいます。
Interdisciplinary Study Club Tokyo 西堀歯科勉強会
二階堂雅彦先生
二階堂先生はご開業の傍ら、東京歯科大学歯周病学講座の臨床教授として教育にも携わっており、EBM(科学的根拠に基づく医療)を重視した歯周治療・インプラント治療の講義を多数行っておられます。そのため、インプラント周囲炎に関する相談や治療依頼を受ける機会も多いとのことでした。
インプラント周囲炎を起こしやすい傾向のある「インプラントの種類」について
今回のセミナーでは、インプラント周囲炎を起こしやすい傾向がみられるインプラントのタイプ と、その臨床的対応について、科学的根拠に基づいた症例とともに詳しい解説が行われました。
ディスカッションでは以下のような点が共有されました。
- インプラントの構造(形状・表面性状)によって、周囲組織の反応に差が生じる可能性があること
- 外科処置の手技や既存骨の状況が、炎症リスクに影響すること
- 患者背景(口腔衛生状態・既往歴など)との複合要因で炎症傾向が変化すること
先日は Ken Akimoto 先生からアメリカのインプラント周囲炎の現状を学び、今回は二階堂先生から日本での臨床傾向をご共有いただきました。国・背景によって症例にみられる特徴が異なる点も大変興味深い内容でした。

継続した学びから臨床へ
気がつけば、2002年後期にISCT勉強会への参加から数えて13年目の参加となりました。歯周治療・インプラント治療に関する専門知識は常に更新され続けるため、学びに終わりはありません。今後も継続して研鑽を重ね、日々の診療へ反映していきたいと思います。
西堀先生をはじめ、ISCTの先生方には、今後も変わらずご指導いただけますと幸いです。
目黒区・世田谷区・大田区、東横線・大井町線・田園都市線沿線にお住まいの方で、インプラント周囲炎や歯周病についてお悩みのある方は、自由が丘駅から徒歩3分の当院までお気軽にご相談ください。



