世の中には「インプラントは成功率が高い」と大きく宣伝する歯科医院も多いのですが、実際にはインプラント治療の評価には 成功率(Success rate) と 生存率(Survival rate) の2種類があることをご存じでしょうか。
生存率 は「インプラントが口の中に残っているかどうか」。
成功率 は「骨の吸収や周囲の炎症がなく、健康に機能しているかどうか」。
インプラントは生存率だけを見ると高く見えます。しかし、成功率まで踏み込んで分析すると、インプラント周囲炎などの合併症が決して少なくないことが、欧州を中心とした長期経過報告から明らかになっています。
Long-term implant survival and success: a 10-16-year follow-up of non-submerged dental implants. COIR2010
科学的根拠に基づく治療が進んでいる欧州でさえこの結果ですから、治療体制が十分でない日本では、インプラント周囲炎やトラブルが今後ますます増える可能性があります。
そのようなインプラントトラブルに対して、歯周病専門医がどのように対応するべきか。私自身も症例検討会を通じて議論し続けています。
歯周病専門医の勉強会で学ぶ「インプラント除去と再埋入」
私は毎週金曜日、American Board of Periodontology Member である西堀 雅一先生による院内勉強会に参加しています。
Interdisciplinary Study Club Tokyo(西堀歯科勉強会)
2013年9月27日の会では、歯周病専門医・指導医である 武内先生 による 「インプラントの除去・再埋入」 のプレゼンテーションが行われました。
(武内先生のスライドより引用)
(武内先生のスライドより引用)
インプラントを除去しなければならないケース
インプラント周囲の炎症が改善しない場合や、インプラント体に破損が生じた場合には、インプラント本体の除去(撤去)が必要となります。しかし、骨と強固に結合したインプラントを外す作業は、決して簡単ではありません。
シアトル開業の秋本先生や、東京歯科大学臨床教授の二階堂先生と同様、武内先生の元にも多くの「他院でのトラブル症例」が除去依頼として持ち込まれているとのことでした。
今回の講演では、
- どのような機材を使うと安全に除去できるか
- どのような方法が骨のダメージを最小限にできるか
- 除去後にどのような処置を行うと再治療(再埋入)が可能か
といった、インプラントメーカー主催のセミナーでは決して知り得ない「臨床の現場でしか分からない実際のリカバリー」を詳しく解説してくださいました。
非常に学びの多い時間であり、日々の診療にも直結する内容でした。武内先生、貴重なご講演をありがとうございました。
インプラントの炎症・痛みでお困りの方へ
目黒区・世田谷区・大田区、東横線・大井町線・田園都市線沿線で、
「インプラントの周りが腫れる」
「痛みが続く」
「他院で治療したインプラントが心配」
という方は、自由が丘駅から徒歩3分の歯周病専門医までお気軽にご相談ください。状態を確認し、最適な治療やメンテナンス方法をご提案いたします。



