自由が丘の歯医者ブログ

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インプラント周囲におきる炎症の原因2012.06.05

インプラントは虫歯にならないから歯より強いんじゃないですか?

最近患者さんからこんな質問を受ける事があります。
チタン素材で構成されるインプラントは、確かに虫歯にはなりません。
ただし、インプラントは骨に直接埋め込む治療なので、インプラント周囲の歯肉や骨には炎症を引き起こしやすいです。
炎症が起きた状態をインプラント周囲炎と言い、歯周病学分野の中で、近年注目している病気のひとつです
インプラント周囲炎になる条件には実に多くの要因があり、それらを熟知してインプラント治療を行う歯科医は日本はおろか世界的にも少ないと言えるほどまだまだ未知の分野です。
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2012年5月31日はシアトルで開業されている
Ken Akimoto先生によるインプラント歯周炎の実際と対応方法についてのクローズドセミナーがISCTでありました。
Dr.Ken Akimoto
Ken Akimoto先生は、Dr.Wilsonが2009年に発表したインプラント周囲炎の一要因をクローズアップしながら、インプラント周囲炎の実状と対応方法をお話してくださいました。
Ken Akimoto先生も冒頭でお話しされていましたが、歯周病専門医が行うインプラント症例ではインプラントでのトラブルを経験することが無く、インプラント周囲炎を目の辺りにすることが非常に少ないです。
ですから、今回のセミナーのためにKen Akimoto先生が集めてくださったインプラント周囲炎の資料は、大変貴重なものでした。
ISCTの勉強会でも、インプラントに起こるトラブルについて様々な文献を2004年より抄読してきておりますし、私自身も100本近くの論文を読みこんではいるものの、アメリカで起きているインプラント周囲炎の実情を見せていただく機会に恵まれたのは幸いでした。
このようなトラブルが起きる原因も明確にお話しくださいましたし、その際の対応もはっきりとご教示いただき、非常に有意義なお話をうかがえてよかったです。
これでまたひとつ、歯周病専門医としての私の得意分野が増えた気がします。
Ken Akimoto先生。本当にありがとうございました!