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歯周病専門医が行う"本当に治る"歯のクリーニングとは?一般歯科との違いを徹底解説2014.04.09

「歯周病専門医が行うクリーニングと、一般歯科で行うクリーニングは何が違うのですか?」

これは、他院で定期的なクリーニングを続けていたにもかかわらず、歯周病が進行してしまった患者さまから最も多くいただくご質問です。

歯周病の進行イメージ図(歯肉炎と歯周炎の違い)

歯肉炎と歯周炎では、必要なクリーニングの質が異なります

歯周病には、歯肉に炎症がとどまる「歯肉炎」と、炎症が歯槽骨にまで及ぶ「歯周炎」があります。

歯肉炎であれば、歯と歯ぐきの境目に付着したプラークや歯石を除去することで、比較的短期間で炎症が改善します。

しかし歯周炎では、歯ぐきの奥深くに付着した歯石を正確に除去できるかどうかで、治療結果が大きく変わります。 この"深い部分のクリーニングの精度"が、術者によって大きく差が出るポイントなのです。

クリーニングの精度に術者差は本当にあるのか?

Scaling and Root Planing Efficacy in Multirooted Teeth

Howard C. Fleischer,James T. Mellonig,William K. Brayeret.al JOP 1989

実際に、歯石除去の精度に関する興味深い研究があります。 Brayer、Fleischerらによる1989年の研究では、抜歯予定の単根歯396本と複根歯268本を、

  • 歯周病専門医2名
  • 歯科大学・歯周病科レジデント2名

がクリーニングしたのちに抜歯し、取り残された歯石を比較しました。

結果として、

  • 専門医とレジデントの間に明確な技術差が存在
  • レジデントは、ポケットが深くなるほど歯石の取り残しが増加
  • 奥歯や根分岐部病変では、さらに精度が低下

という傾向が示されています。 歯周病専門医を目指すレジデントでさえこの結果であることを考えると、一般歯科医や歯科衛生士ではさらに差が開く可能性があります。

不十分な歯石除去は歯周病の長期改善を妨げます

歯石が取り残されていると、炎症が改善しづらく、結果として次のような"誤った治療選択"につながることがあります。

  • 抗生剤や洗口薬に頼りすぎる
  • 必要以上に早い段階で外科治療に進んでしまう
  • 根本原因(歯石・プラーク・噛み合わせなど)への対処が不足し再発を繰り返す

このように、歯周病治療の「根本改善」には、精度の高いクリーニングが欠かせません。

専門医が行うクリーニングは"餅は餅屋"の世界

歯周病専門医によるクリーニングは、単なる汚れ取りではなく、歯周病治療の成功率を大きく左右する高度な専門技術です。

実際に田川歯科では、精密なSRP(スケーリング&ルートプレーニング)を行うことで、多くの症例において歯周外科治療を回避できています。

"技術の差"が、患者さんにとってより優しい治療につながる理由です。

歯周病でお悩みの方へ

目黒区・世田谷区・大田区、東横線・大井町線・田園都市線沿線などから多くの患者さまにご来院いただいています。 自由が丘駅から徒歩3分の歯周病専門医として、できるだけ負担の少ない歯周病治療をご提供しています。

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