歯周病治療は、担当する歯科医師によってアプローチが異なることがあります。では、歯周病専門医と一般臨床医では具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
これは、歯周病でお悩みの患者さんから最も多く寄せられるご質問のひとつです。
日本歯周病学会認定の歯周病専門医は、診断・治療法の選択・治療後の予後評価まで、学会のガイドラインに基づいて治療を進めます。そのため、一定以上の治療クオリティが標準化されている点が特徴です。
(※注:歯周病治療に限定した一般的な傾向であり、治療結果を比較したデータがあるわけではありません。あくまで筆者の臨床経験に基づく所感としてお読みください。)
一方、一般臨床医の先生方も、大学教育・学会・講習会・専門誌などで習得された知識をもとに治療を行っておられます。しかし習熟度・経験値・学びの方向性は個々に異なるため、治療内容にも幅が生じる可能性があります。
重度歯周病治療の経験値の違い
歯周病専門医は資格取得の際、重度歯周病症例や歯周組織再生治療など、高度な治療症例を複数提示することが義務付けられています。
そのため難症例を扱う臨床経験量は、一般臨床医とは大きく異なる傾向があります。
常にアップデートされる歯周病治療
また歯周病専門医の資格は更新制であるため、常に最新の歯周病治療・インプラント治療・再生療法などの知見を継続的に学ぶ必要があります。その結果、患者さんに提供できる治療選択肢や情報量にも違いが出てきます。
当院では毎週金曜日、American Board of Periodontology(米国歯周病専門医機構)のMemberである西堀雅一先生の院内勉強会に参加させていただいております。
Interdisciplinary Study Club Tokyo 西堀歯科勉強会
2012年11月9日には、歯周病認定医である阿部晃子先生による症例検討会が行われました。広範囲に重度の歯周病に罹患した40代男性の治療報告で、レントゲン像からは若年性(侵襲性)歯周炎とも、広範型慢性歯周炎とも判別が難しい非常にチャレンジングなケースでした。
抜歯してインプラントへ移行しても不思議ではない状況でしたが、阿部先生は「できる限り歯を残したい」という患者さんの希望を最優先に、初期治療での反応を丁寧に見極めながら、分割抜歯と再生療法を組み合わせることで歯の保存に成功されました。
可能な限り天然歯を残す----。西堀歯科で大切にされている理念を体現した治療でした。
自分の歯を大切にする歯周病治療を
歯周病は「抜歯しかない」と思い込んでしまう方も多いですが、適切な診断と治療アプローチにより、歯を残せるケースは少なくありません。いま一度、ご自身の歯を残す選択肢について見直してみてはいかがでしょうか。
目黒区・世田谷区・大田区、東横線・大井町線・田園都市線沿線にお住まいで歯周病にお悩みの方は、自由が丘駅から徒歩3分の歯周病専門医までお気軽にご相談ください。



