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歯周病治療におけるレーザー治療の有効性2011.04.12

American Academy of Periodontology(米国歯周病学会)では、歯周病学に関連する様々な話題についての報告、声明とガイドラインを定期的に発表しています。

1990代来、その有効性が議論されているレーザーを使用した歯周治療の有効性についての声明が、つい先日発表されました。

声明の内容は、レーザーを用いて、歯肉溝や歯肉ポケットのデブライドメント(お掃除)、歯肉縁下の細菌の除去(歯周ポケットの洗浄)、そしてスケーリングとルートプレーニングを行う3つのパターンの非外科的歯周病治療の利点について、それぞれ根拠に基づいた見通しを発表していました。

結果は以下のとおりです。

1. レーザーを単独に用いても、SRPに併用して使用しても、歯肉内のデブライドメント(お掃除)を目的として、レーザーの使用をサポートするエビデンス(根拠)は少ない

2. 歯肉縁下の細菌除去はSRP単体で達成されており、レーザーによって細菌が除去されたと言う結論は矛盾があり、予知性は無いと示されている

3. ヒトにおいては、Er:YAGは硬組織へのレーザーであることから、歯石を除去する過程で術者は、何にレーザー光線を当てられているかを可視化できず、歯根表面を傷つける可能性がある

上記の見解から、今日現在のレーザーの歯周病治療への応用による治療効果は立証されておらず、有用性を立証するには今後の更なる研究が必要であると結論付けており、AAP(米国歯周病学会)の見解としてはレーザーを上記の歯周病治療に使用することの根拠は認められないとの事です。

日本においても歯周病治療にレーザーを応用する事は、再考する必要があるようです。

米国歯周病学会のレーザー治療に対する声明

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