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歯周病の方へのインプラント治療|リスクと成功のためのポイント2013.10.07

歯周病患者におけるインプラント治療の考え方と長期予後について

インプラント治療では、治療後の長期的な健康状態を維持するために インプラント周囲炎(peri-implantitis)への配慮がとても重要です。 特に、歯周病で歯を失った患者さんの場合、治療から数年経過した後に インプラント周囲炎の発生率が高くなる可能性が複数の研究で報告されています。

(Brocard et al. 2000/Karoussis et al. 2003/Roos-Jansåker et al. 2006/Roccuzzo et al. 2010/Matarasso et al. 2010)

歯周病とインプラントの関係を示すイメージ写真

歯周病を治療せずにインプラントを行った場合は?

歯周病が十分に改善されていない状態でインプラント治療を行った場合や、治療後に歯周病が再発した場合、 インプラント周囲の組織にも影響が及ぶ可能性が指摘されています。

今回の院内勉強会では、こうしたテーマに関連する論文を取り上げ、 歯周病治療とインプラント治療の関係について再確認しました。

院内勉強会について

毎週金曜日には、American Board of PeriodontologyのMemberである 西堀雅一先生が主宰されている勉強会に参加しています。

Interdisciplinary Study Club Tokyo(西堀歯科勉強会)

今回抄読した論文について

2013年10月4日の勉強会では、歯周病患者にインプラント治療を行った後の長期経過を観察し、 歯周病のコントロールがインプラント周囲炎やインプラント脱落にどのように影響するかを検討した2本の論文を抄読しました。

Residual periodontal pockets are a risk indicator for peri-implantitis in patients treated for periodontitis. COIR 2012
Peri-implantitis susceptibility as it relates to periodontal therapy and supportive care. COIR 2012

どちらの研究も、歯周治療を受けた患者さんに対してインプラント治療を行い、 その後のインプラント周囲組織を長期にわたり観察したものでした。

論文から示唆されるポイント

  • 歯周病が十分に改善していない状態でインプラント治療を行うと、周囲炎のリスクが上昇する可能性がある
  • 深い歯周ポケットの残存や歯周病の再発が、インプラント周囲のトラブルに影響し得る
  • 歯周病の継続的な管理(SPT)がインプラントの長期安定に寄与することが示唆される

これらは、インプラント治療を行う際に歯周病の状態を的確に把握し、治療後も継続的に管理する重要性を改めて示す内容でした。

インプラント治療前の歯周病治療の重要性

欧米では、インプラント治療の事前に歯周病の十分な治療を行うことが一般的とされ、 長期的な予後を考慮した治療計画が重視されています。

日本でも、インプラント治療の成功には治療前後の歯周病管理が重要であることが広く認識されつつあります。 インプラント治療をご検討される際には、治療のメリットだけでなく、 長期的な予後やメンテナンスを丁寧に説明してくれる歯科医院を選ぶことが大切です。

当院の取り組み

当院では、歯周病専門医の立場から 歯周病の改善 → インプラント治療 → 治療後のメンテナンス までを一貫して行い、長期的な安定を目指した治療計画をご提案しています。

患者さんごとのリスク評価を行い、治療選択肢のメリット・デメリットを丁寧に説明したうえで、 最適な治療をご一緒に検討いたします。

ご相談はこちら

目黒区・世田谷区・大田区、東横線・大井町線・田園都市線沿線にお住まいで 歯周病治療やインプラント治療をご検討の方は、自由が丘駅徒歩3分の 歯周病専門医である当院までお気軽にご相談ください。

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