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歯周病治療と抗菌療法について|薬だけに頼らない治療の考え方2013.10.23

今回は、一般的な話題として「歯周病治療における抗菌療法」について取り上げます。

歯周病治療では、状況に応じて抗菌剤(抗生物質)を併用する場合がありますが、 まずは適応と注意点を正しく理解することが大切です。

抗菌療法を検討されている方は、参考として 日本歯周病学会が公開しているガイドラインをご覧ください。

歯周病患者における抗菌療法の診療ガイドライン

インターネット上には、さまざまな歯周病治療に関する情報がありますが、 その内容がすべて科学的根拠に基づいているとは限りません。 治療を検討する際は、信頼できる情報かどうかを確認することが重要です。

歯周病の診断をイメージした写真

抗菌剤の使用にはメリットもあれば注意点もあり、その判断は 治療提供者の知識や患者さんの状態によって異なります。
日本歯周病学会でも、治療に関連する考え方をポジションペーパーとしてまとめています。

日本歯周病学会ポジションペーパー

また、米国歯周病学会(AAP)でも、 抗菌剤を併用するスケーリング・ルートプレーニング治療は 必要性を慎重に判断するよう注意喚起を行っています。

Is a topical antibiotic treatment necessary in conjunction with scaling and root planing?

歯周病と抗菌療法の考え方

歯周病は、細菌による刺激に対する体の反応(宿主応答)が関係する病気です。
そのため、治療の基本は 歯垢や歯石などの原因物質を取り除く「機械的な清掃(メカニカルデブライドメント)」 にあります。

この基本治療が適切に行われることで、薬に頼らずとも改善が期待できることが多く、 抗菌剤の使用が必須というわけではありません。
ただし、少数ではありますが、通常の治療では改善しにくい 「難治性」と呼ばれる歯周病が存在することも報告されています。

過去のシステマティックレビューでは、 抗菌剤を併用した治療でも長期的には再発しやすい場合があると示されており、 米国歯周病学会も治療のリスク・デメリットを理解した上での慎重な適応を推奨しています。

Systematic antibiotics in periodontics

治療情報を正しく見極めるために

近年は、多様な歯周病治療が紹介されていますが、 すべてが科学的根拠に基づくものとは限りません。
治療を検討される際には、信頼性の高い情報源(1次ソース)を参考にしながら 治療内容の妥当性を確認することが大切です。

歯周病でお悩みの方へ

歯周病は、早期発見と適切な対処が重要な病気です。
目黒区・世田谷区・大田区、東急東横線/大井町線/田園都市線沿線で 歯周病治療をご検討中の方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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