歯医者も当然ながら虫歯や歯周病になることがあります。自分で治療する歯科医師もいますが、私は信頼できる歯科医に診てもらいたいタイプです。
では、歯医者である私が歯科医院を選ぶ際、どのようなポイントを重視しているのか。今回はその基準をお伝えします。(あくまで個人の見解としてご覧ください。)
1. 手先が器用で、清潔な環境を保てる歯科医師か
歯科治療は精密な作業が求められるため、手先の器用さと清潔な診療環境は非常に重要です。
- 治療時に患者さんの頬を強く引っ張らない
- 器具を歯や頬にぶつけない丁寧な操作
- 整理整頓された診療台まわり
- 白衣や身だしなみが清潔
特に、患者が多い時間帯でも清潔さが保たれているかはチェックポイントになります。過度な豪華さではなく、必要な衛生管理が徹底されているかが大切です。
2. 学問・知識に基づく診療姿勢を持っているか
良い歯科医師の条件として、治療に関する幅広い知識と正確な判断力は欠かせません。
判断基準の例:
- 患者の話を丁寧に聞き、状況を正確に把握しようとする姿勢
- 必要な検査を適切に行う
- 治療方法・リスク・選択肢をわかりやすく説明してくれる
- 根拠(Evidence)にもとづいた説明をしてくれる
- 資料や検査結果を提示して説明してくれる
分からないことを気軽に質問できる歯科医師かどうかも、歯医者選びの大切な基準になります。
3. 患者を大切にする、誠実な歯科医師か
技術や知識だけでなく、誠実さは歯医者選びにおいて非常に重要です。
患者は治療中に「何が行われているか」を見られないため、信頼のおける相手に任せたいものです。
誠実さを感じるポイント:
- 法令やガイドラインの遵守
- 予約時間への配慮
- メリット・デメリットをきちんと説明する
- 自身が担当した治療の経過を説明できる
- 治療期間や見通しを明確に伝えてくれる
- 自ら治療に関わり、責任を持った対応をしてくれる
- 患者の話をよく聞き、対話を重視する
結局のところ、「人として誠実であるか」は歯科医としての信頼性に直結します。
4. インターネットで歯医者を選ぶ場合の注意点
家族や知人から紹介を受けるのが理想ですが、最近はWeb検索で歯医者を探す方がほとんどです。そこで気を付けたいのが情報の"見方"です。
● 口コミの注意点
インターネット上の口コミは、必ずしも実際の診療内容を反映しているとは限りません。
- 投稿時期が不自然に集中していないか
- 内容が似通っていないか
- ネガティブ意見が一切ないなど、偏りがないか
- 開院年数と口コミの数が釣り合っているか
口コミはあくまで「参考情報」。判断材料の一つとして見るのがおすすめです。
● ホームページ広告の見方
医療広告ガイドラインでは誤解を招く表現に制限があります。しかし、Web上には患者を誘導するような広告表現も散見されるため注意が必要です。
特に、治療内容を過度に強調した表現や、体験談を事実以上に評価する内容には気を付けましょう。
● 歯科医師会への加入について
歯科医師会は地域医療や公衆衛生活動を支える団体です。加入の有無だけで優劣は判断できませんが、地域連携への取り組みを知る一つの指標にはなります。
まとめ
今回は、私が歯医者として「自分が通うならどんな歯医者を選ぶか」という視点でまとめました。急な歯の痛みや治療選択に迷ったとき、歯科医院選びの参考になれば幸いです。



