自由が丘の歯医者ブログ
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こどもの歯列矯正で思う事2019.06.05
こんにちは。
東京・自由が丘のファミリーデンティスト 田川歯科です。
最近、お子様の歯列矯正治療に関するお問い合わせを
頂く機会が極めて多い為、当院でお話ししている事を
ブログアップしておきます。
写真の装置はうけ口気味の歯列を矯正する治療装置として
使用されていたそうなのですが、2年使用しても歯並びが良くならないとの事で
知人に当院を紹介されご相談にいらっしゃいました。
この装置は小児矯正前に使うプレトレーニング装置の1種でした。
装置を装着する目的は歯の周囲を取り囲む舌や筋肉からの悪習癖を修正したり、
口呼吸から鼻呼吸への移行、また本格的な矯正装置を常時口腔内に維持する
違和感に慣れる事を目的としています。
どうして矯正治療と称してこのマウスピースをずっと使用していたのでしょうか?
この矯正装置による治療をOrofacial Myofunctional Therapyと言うのですが、
この矯正装置の製造元のwebサイトと
Orofacial Myofunctional Therapyによる矯正治療の効果を調べた
システマティックレビューを下記に示します。
Effectiveness of orofacial myofunctional therapy in orthodontic patients:A systemathic review
日本社会における歯科医師過剰問題は皆さんご存知と思いますが、
それに加えて少子高齢化の社会の現象もまた歯科医院経営に大きな影響を及ぼしています。
高齢者のほとんどは既にかかりつけ医を持っている為、新規に開業した歯科医院を訪れる事は
ありません。
よって新規開業の先生はその地域に住居を構えて間もない
若い世代の患者さんをターゲットに歯科医院運営を展開せざるを
得ないので、ホームページや宣伝広告費を費やし若い世代の患者さんを集めます。
ところが若い世代の方々は食生活や嗜好の変化、また歯科医師会の8020運動による
恩恵を受けている事から虫歯が減少しており、歯医者にとって治療介入余地が無く、
極めて過酷な現実が待ち構えています。
そう言った現状を踏まえ、歯科経営に疎い歯科医師に
歯科医院経営コンサルタント会社が経営戦略手段として勧めているのが
小児矯正(こどもの矯正)なのです。
そもそも小児の生え変わりの時期は小児歯科学の教科書にも
書いて有るほど必ず歯列不正が起きます。
今の子育て世代の方は美的意識が高い方が多い為、
こどもの歯並びをとても気にするようです。
そんな親の気持ちを逆手にとって必要のない小児矯正を勧める歯医者が
多いようです。
ですからかかりつけ歯科からお子さんの歯列矯正を勧められたら、
矯正治療が必要な理由、検査結果と見通し、場合によっては
小児歯科専門医によるセカンドオピニオンをお受けになって
ご検討ください。
このブログが気になった方は「小児矯正 トラブル」と言ったキーワードで
google検索してみてください。
小児矯正にまつわる様々な問題を知る事が出来ると思います。