自由が丘の歯医者ブログ

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科学的な歯科治療(part 9)2010.11.06

Meta analysis と Systematic reviews

一口に論文と言っても、研究内容によって区別されています。

一般に我々が目にする論文は、ある研究目的を基に研究者が行った研究を行った論文を目にしますが、その内容は研究目的、研究方法、結果、考察としてまとめてあり、このような論文を原著論文と呼びます。

対して、前回お薦めしたようなCDSRなどのSystematic reviewは、特定の分野や主題について、いくつかの原著論文などの関連文献、資料に基づいてを総括的に論評していますので、総説論文と呼ばれています。

また総説論文には、メタ分析やシステマティックレビューなどの別形式でまとめられているものがあり、今回はそのシステマティックレビューとメタ分析の違いをおさらいしたいと思います。

Systematic reviews 

総説論文の1つのカテゴリーとして位置づけられるシステマティックレビューとは、論文の作成過程がEvidenceに基づいているものであるか否かです。焦点の絞られた明確な疑問から出発し、情報収集を網羅的に行って、集められた情報を批判的に吟味し、それらの情報を要約したものが、システマティックレビューとなります。

またメタ分析が定量化された指標で表されるのに対して、システマティックレビューは、結果のまとめが定量的であるかは問いません。

システマティックレビューの代表が先に紹介したCochrane Libraryのレビューですが、CDSRの大半は同時にメタ分析でもあります。

Meta analysis

一般的な総説論文にはデータを定量化させる統計学的手法が無いのに対して、メタ分析とは、統計学的手法を用いてデータを定量化している総説論文であり、メタアナリシスと呼びます。

メタとは分析の分析という意味で個々の原著論文の分析をまとめ、さらに分析をするものです。

例えば歯周病の進行とタバコの因果関係を研究する論文を5つ集め、その結果を並べて記述するだけではなく、5つの論文を1つにまとめて定量化した1つの指標を提示するのがメタ分析です。1つの指標にまとめるのにしばしば用いられるのがオッズ比ですが、指標には他にもさまざまな方法があり、指標によっては論文解釈が難解になる場合もあります。

オッズ比:

オッズ比が1より大きい場合→その治療は有害である。

オッズ比が1より小さい場合→その治療は有効である。