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うがいをするだけで歯周病が治る!

2010.08.16 |

約10年ほど昔、抗真菌薬でうがいすると歯周病が治ると言う報道が巷を賑わせました。

大手の新聞社がとりあげたこの記事によって、当時勤務していた歯科医院にも歯周病で困っていると言う患者さんから数多くの問い合わせが殺到したのを覚えています。

画期的な治療法か!?と日本国中が賑わったのですが、すぐに日本歯周病学会の見解が学会ホームページにアップされました。

内容を要約して掲載しますと、

抗真菌剤が通常の歯周病 治療に利用できると言う科学的根拠はない。

仮にその根拠があり充分に検証された薬剤であったとしても、その使用に際しては、副作用を含む、薬効を期待する場での薬物効能の特徴も含めて考慮し、適切な投薬方法を考慮すべき。」

と見解していました。さらには、

「現在、我が国で行われる歯周病治療のガイドラインでは、先ずブラッシングによる歯肉縁上プラーク除去を行い、続いて歯肉の縁下プラークに生息する歯周病原性細菌を様々な処置により除去する。

その後に歯周組織を修復、再生させるという治療の流れは、世界中の先進国にて行われている研究結果を集積した科学的根拠に基づいて確立された治療手段であり、その方法が世界各地で確実に歯周病の治療成績の向上をもたらしている背景となっているものである。」

と断言もしていました。

現代の医療は科学的な根拠に基づいた治療法の採用の推進が唱えられています。

科学的な根拠に基づいた治療法とは、バイアスが排除されたきちんとした実験デザインにより行なわれた治療の結果を、充分に検討した成績をもとに選択された治療法のことを言います。

特別な例を考えたとしても、カンジダ菌のみが歯周病の発病や進行に関わっていると言う考えは眉唾であり、過去の数々の研究報告から考えて科学的な根拠がある話とは思えません。

(注釈:最も歯周病に関連すると言われている細菌はTanerella forsythensis, Porphyromonas gingivalis, and Treponema denticola でred complexといわれています(複合感染) )

繰り返しますが現在、世界標準で行われている歯周病の治療法は、歯肉縁上プラークの除去と歯肉縁下のグラム陰性菌を中心とした歯周病原性細菌を様々な処置により除去する事です。

それが科学的根拠に基づいた治療法であり、全ての歯科医師が行うべき治療手法でしょう。


したがって、現行の歯周病 治療法をおざなりにして、学術的根拠や安全性が確認されていない抗かび剤(アムホテリシンB)の連続的投与を患者に行うべきではないと,当時の日本歯周病学会は見解を発表しました。

日本歯周病学会ポジションペーパーへのリンク

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